kitagawa blog

2011/08/31

中国とホンコンの関係(中央と地方の関係の特別バージョン)


香港の終審法院(日本でいう最高裁判所)に係属した訴訟で、香港の基本法(憲法のようなもの)の解釈を中国の全人代に求めたというニュースが先日ありました。


事案としては、コンゴ民主共和国に対する債権を保有する米ファンドが、強制執行をかけるべく香港の裁判所に提訴(執行文を付与してもらうようなものなのかな?)。何故香港の裁判所?という疑問もありますが、上記債権は旧ユーゴスラビア企業が保有していたものらしく、国際裁判管轄を香港にすることで合意していたのかもしれないという推測がされています(JAPAN LAW EXPRESS参照)。

さて、この事案で香港の終審法院が中国の全人代に解釈を求めたというのは、非常に驚きました。というか、私が単に知らなかったのですが、香港は独立しているというわけではなく、特別行政区なんですよね。自治権が認められているけれども、完全な自治権ではなくあくまでも中国の一地域という位置づけ。

それと、日本でいえば最高裁が国会に憲法や法律の解釈を求めることはありませんが(司法判断を回避することはある)、香港の終審法院は中国全人代に解釈を求めたことも驚きました。この点は「独立性を持つ香港の裁判所が全人代に法解釈を求めたことは「中央政府による法的介入の余地を自ら広げた」との批判が多い」と日経に記載されています。しかし、香港の基本法の公定解釈は原則として全人代によりなされ、香港の自治権に属する事務で中央の授権がある場合には、香港の裁判所で判断ができるとされているようです。また、自治の範囲外であっても、香港の裁判所で公定解釈を行うことはできますが、中央政府の事務にかかわるような場合(詳細はよく分からない)には、香港の終審法院で最終判断を下す前に、全人代に公定解釈を要請しなければならないそうです(以上、『香港基本法をめぐる諸問題※国立国会図書館で提供されているPDF論文です。)。

したがって、必ずしも新聞で記載された批判が的を射ているとは言えないかもしれません。

なお、香港ポストによれば、上記債権は1980年代に成立した債権であり、米ファンドが強制執行に乗り出したのが2008年とのことですので、時効との兼ね合いでかなり買い叩かれていたような債権なのかもしれません(完全な推測)。

中国と香港の関係を特に意識したことはなかったですが、ふと疑問に思ってメモ程度に残してみました。詳しく分かる方がいたら教えてください(笑)

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